青色は正義。

青か、青以外か。

プラチナ萬年筆: #3776センチュリー富士五湖シリーズ 河口~ただの色違いと思うなかれ

キングダムノートのポイントが切れそうだったのでプラチナの万年筆クリーナーでも買おうかと思っていたが、棚を見たらプラチナの河口が売られていたので買った。2016年世界限定2500本。

#3776センチュリー「富士五湖シリーズ」のひとつなので「かわぐち」と読むのが正しいのだが、「河口」とだけ出されたら、よほどの≠MEファンで無い限り、「筑後平野の百万の生活の幸を~」でお馴染み合唱曲に釣られて「かこう」と読むのがたぶん普通だと思う。

#3776センチュリー富士五湖シリーズ 河口

このペン最大の特徴はなんといっても軸に施された光線彫り。素材を削らずに凹ますことで模様を表現する「光線彫り」は写真ではわかりづらいのでぜひ動画でご確認ください。(2枚目)

 

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軸色はドーンブルー。通常品のシャルトルブルーから紫味を抜いた、透明で深い青となっている。

手前:シャルトルブルー、奥:河口

その他、実は金属リング部もエッチング加工でできていたり、キャップの頭部に富士山イメージの金属パーツが入っていたりと、細部までこだわりのかたまりでできている。

#3776センチュリーの限定軸ではこれ以降青色基調のものは出ておらず(薫風は「青緑」である)、「ひょっとしたら今年は青が出るのではないか」と毎年毎年プラチナ派アオラーをやきもきさせているとかしないとか。

後に趣味の文具祭のプラチナ万年筆ブースでお話をしたのだが、プラチナ万年筆の社員さんが「入った年の限定品が何だったか」という話をしていて、某高校吹奏楽部の「代の名前をその年のコンクールの自由曲で呼ぶ」みたいだなと思った。

Pelikan: M805 Vibrant Blue~ 青いM805を全て集める冒険

2023年時点で発売されている、M800の青系の限定軸は3つ。2013年のブルー・オー・ブルー。2019年のブルーデューン。そして2016年のヴァイブラントブルー。

M805ヴァイブラントブルー。

このヴァイブラントブルーが1番人気らしく、マルイ商店のマスター曰く「どこにもない」という。確かに都内某所でBが売られているのを見た以外、都内6箇所、横浜2箇所、神戸2箇所、長崎1箇所、福岡3箇所と探したけれどどこにもない。この世に存在するのはBかローラーボールローラーボールにしてしまうのも一興かな、と思っていたところ、メルカリというものの存在を思い出し、探してみたらちょうどその日に出品されていたのをそのまま入手した次第。値段は相場感と比べて悪くなく、状態も良好。

キャップ。ほんの少し透ける

要するにM805なのでそれ以上でもそれ以下でもない。でもこの3本の中では一番イタリア万年筆のようなマーブルをしていて、キャップはほんの少しクリアで、青色も明るい。一番人気なのもわかる気がする。それで使い心地はしっかりM805のスーベレーン。まさに実用性と装飾性において完璧。

去年の11月から始まった青いM800を巡る冒険はひとまず完結。でも、じゃあ、今後また青いM800の限定品が出たら買わなきゃいけない、ということになるということに今日まで気づかなかった。

M800の3本の青軸。眼福に尽きる

キングダムノートで観察を続けているけど、「出ないことはない」というレベルなので、欲しいものリストに入れて通知が入るようにしたらそのうち入ってくるかも、という感じ。欲しい字幅じゃなかったときに妥協するかどうか悩みますね。

Aurora: アクア ~ミニサイズの明るいブルー

アウロラはずっと持っていなかった。オプティマは14金なのに10万円ぐらいになってしまったし、限定品はもっと高くて、しかもちょっとくすんだような色であまり好きな色ではない。同じイタリアでもレオナルドのほうがよほど好みの色合いをしている。

アウロラのアクア。サイズはミニオプティマ

2013年発売のアクアは箱入り4本セットの25万円ぐらいする奴しか見たことなかったのだが、2023年になって何故か銀座伊東屋にぽろっと新品が入ってきた。これは売ったほうも悪いし、買わない皆さんも悪い。

青は通常品のオプティマより結構明るめ。このぐらいの青のほうが好きかな。サイズはオプティマミニ、ペン先は18金。リザーバータンクもついているようだが、よくわからない。

ご覧の通り18金

ちなみに古すぎる限定で値上げ対象外だったのか、売価は定価の6万8000円。今14金のミニオプティマでも税込み8万以上するので、たぶんこれを逃したら私は一生新品でアウロラを買うことはなかっただろう。たぶん。

キャップにアクアマークが入る

書き味はネットで見かける噂の通り結構硬め。Fですが国産のMFぐらいの太さ。アウロラは細いと昔から言われてきて、そういえば万年筆始めたての頃オプティマが欲しくてたまらなかったのだけど、パイロットのレガンス89sを買ったので買わなかったのを思い出した。あれから4年経ってついにアウロラに手を出したのがなんか感慨深い。

アウロラアクアとレガンス89s

こう見るとアウロラアクアはだいぶ太い。レガンス89sが細いというべきなのかな。長さは同じぐらい。でも、どちらかというとレガンス89sがまるで国産品とは思えない、イタリア製とも比肩しうる製品だということのほうが強調されるのではと思う。

石丸文行堂: 創業140周年記念万年筆 瑠璃-Lapis Lazuli- ~君にこの違いがわかるか?

今年は各店舗いろんな青軸を出す。大丸藤井セントラル「セルパブルー」、ナガサワ文具センター「京町レジェンドブルー」、日本橋三越Stationary Station「サフィルス」。これにペリカンパステルブルーを出しレオナルドはアロハを出す大混雑。

瑠璃-Lapis Lazuli-

その中で購入したのが石丸文行堂創業140周年記念万年筆「瑠璃 Lapis Lazuli」。カスタム742をモデルに、南山手のガラス工房「瑠璃庵」の「長崎瑠璃」を再現。

ペン先。石丸文行堂140周年デザイン。

ペン先の刻印が140周年記念であるのに加え、キャップのリング部分もANIVERSARY 140th ISHIMARU JAPANと特別刻印。

お気づきかと思いますが2022年発売のカスタム会限定「カスタムヘリテイジ912 ネオクラシック」やプラチナの#3776センチュリー シャルトルブルーと色合いは酷似。

左からセンチュリー、カスタム912、瑠璃

若干紫味が強いのと、素材の透明感が強いのが特徴だがほんとうにごくわずか。強いて言えばこちらは紫、カスタムヘリテイジは紺。その「違い」を楽しむと言うよりはこのあたりは色で選ぶというより持ってみてしっくり来るのが912なのか742なのかで選ぶべきではないかと密かに思ったりします。あとは石丸文行堂への愛。

GWに長崎に行く予定があったので長崎の本店で購入……したのではなくその約2周間前の宇宙遊泳東京で購入。でもGWに石丸文行堂の本店はちゃんと寄りました。

ペンと同じような色のガラス製立てが付属。

Pelikan: M605 Marine Blue ~M600とM800は別物である

生まれて初めて仕事で徹夜して、6時過ぎに寝て、12時過ぎに起きて、むしゃくしゃして上野のマルイ商店に行った。色んな人に「絶対行った方がいいですよ」とおすすめされていたのである。

M605マリーンブルー。

万年筆好きの間では「上野のマルイ」といえば上野マルイではなくてマルイ商店のことを指す。ちなみに御徒町の駅から歩いたほうが近い。

目当てのものがあったのだけどそれは「それはどこ行ってもないよ、中古を探さないと」と言われた。しかしM605のマリーンブルーがあったので、これのペン先をEFにしてもらって買った*1。そして、値上がり前の商品で割引価格なのに持ち合わせの現金がギリギリ足りなくてATMに走った*2

キャップ部分。ペン先がわずかに透ける

色合いはBlue Calmに似ている。これを意識したのかもしれない。でもBlue Calmと逆で、こちらはキャップの側が明るくて、同軸のほうが暗い。EFにしたのだけど、まさに「ペリカンのEF」と想像していた太さのものであるが、有識者によると「600で渋めのEFは見たことがない」らしい。

左は瀬戸内文具のBlue Calm。右がマリーンブルー。

M600は初めて買う。14金と18金の差というよりは本体重量の差のほうが大きいと感じる。「M400とM600とM800、どれを買うべきか?」みたいな記事をたまに見かけるけど、個人的な意見としてはM600以下とM800以上は別物である。つまり用途によって使い分けるものであり、M600とM800は別に両方持っておいていい。プロギアスリムミニと普通のプロギアを買うのと同じことである。迷うことが間違っている。

*1:ここでは希望のペン先がなくても在庫があればペン先だけ替えてくれる

*2:マルイ商店あるあるの一つ。カード払いに対応していないため