憑かれてゐるのだ、俺は。蒼空、蒼空、蒼空、蒼空。
(ステファヌ・マラルメ『蒼空』)
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みなさん「このブログについて」をどう使われているのか参考に回ったりするのだが、読者が100ユーザーを超えるようなはてなプロ市民の皆様でもこのページはまったくいじった形跡がなかったり、なかには記事の日付を未来にしてTwitterの固定ツイートのような記事をひとつわざわざ用意していらっしゃったりしているので、このページは案外みんな使っていないのかもしれないし、見られてもいないのかもしれない。なんならサイドバーの「プロフィール」ぐらいでブログの概要なんて済んでしまって、わざわざここに書くことでもないのかもしれない。だからわざわざそこから「このブログについて」のリンクをクリックしてこのページに来る人なんて結構奇特な人なのかもしれない。そうじゃなかったらすいません。
かくいう私も別に「プロフィール」の欄があれば事足り、なんならそれすらなくてもいいぐらいである。あれ以上のものもない。ただたまたま見つけたマラルメの詩の一節が格好良かったので、それを書いておけるスペースがどこかにあればいいなと思ったらここだった。とりあえずマラルメかヴァレリー、ボードレール、あるいはパウル・ツェランあたりから文を引っ張ってくるのが「なんとなくわかっている奴」みたいな空気がある時期や業界がある、というのは確かな気がする。ただこれ以上書くとその辺の人たちから怒られそうな気がするのでやめておく。
さみしいときは 青 という字を書いていると落着くのです
(寺山修司「水妖記4」)
ブログやSNSは10年以上触れているけれど、「自己紹介」にあたる部分に何を書くか、いつも悩んできた。本の著者紹介にあるような、そんな自己紹介を書ける人が羨ましかった。ふと手持ち無沙汰の時間に、そういう自己紹介のようなものを考えたりしてみたけれど、結局自分に修飾するような文章なんてひとつもないということに気づいた。「読者」受けするような過去も現在もなくて、たぶん未来もない。じゃあ無理に何かを見つけてくるより、何も書かないほうがいい。何も明かさないほうがいい。Instagramを始めるにあたっては多少は考えたけど、あれが精一杯だと思う。それがブログになろうがTwitterになろうが、あれ以上のことは自分にはない。もっとわかりやすかったりずっと長続きしている趣味があれば、もっと簡単に自己紹介というものを書いたり、人とつながりあえたりできたのかもしれない。でも、好きなものはいつだってすぐ変わるし、そもそも自分に「好き」という感情が存在するのかもわからない。「自分はこれが『好き』なんだ」と思い込ませているだけなのかもしれない。これはまだ答えに達していない。
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そしてこんな中身のない文章を最後まで読んだ貴方はきっと奇特な人だと思います。
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