青色は正義。

青か、青以外か。

ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開@アーティゾン美術館

抽象画がわかるとは思わないけど、それほど苦手でもない。鑑賞する側にある程度自由が委ねられているからかもしれないし、どちらかというと「デザイン」という観点で見ているからかもしれない。

フランシス・ピカビア《アニメーション》(部分)

もしくは、抽象画が書かれ始めた頃は顔料の青色が開発された後で、昔の時代のものに比べて必然的に青色が使われがちだから、というただそれだけの理由かもしれない。

ヴィエラ・ダ・シルヴァ《入口、1961》(部分)

個人的には、筆跡のわかる絵が好き。画家が命を削って、その生命が塗りたくられたような絵が好き。作家と意図性はともかく、作品を残そうとした意思、作家が生きていたそれ自体の証、のようなものが残っている絵が好き。

杉全直《袋を持った空間》(部分)

一色で塗ったくられたような絵も好き。色が少ない絵は、絵の中に入っていける気がする。

ジョアン・ミッチェル《ブルー・ミシガン》(部分)

逆に荒々しいタッチの絵はその溢れるエネルギーにただそれだけで圧倒される。

ザオ・ウーキー《07.06.85》(部分)

個人的には抽象絵画は苦手というほど行ってみる価値があると思う。200枚も抽象絵画を並べられたら、ひとつぐらい「刺さる」ものがあるのではないか。「わかる」必要なんてない。作者でさえわからないものだってあるのだから。

鍵岡リグレアンヌ《Reflection p-10》(部分)

秋には国立西洋美術館キュビスム展がある。いま東京都美術館ではマティス展をやっている。なんとなくつながりがあるような気がして、やっぱりマティス展、行かなきゃだめかな。

ちなみに図録を買ったら通常の展覧会の図録の2冊分ありました。

ROMEO: My Mightyボールペン ~青色ゲルインク好きは849ローラーボールのゲルインクを入れなさい

今でこそ文具イベントのたびにパイロットやセーラーなどの万年筆のカスタマイズサービスを見かけるが、常設のサービスとして最初に始めたのはおそらく2019年の銀座伊東屋MyMighty。横浜元町店でスタートし、後に他店舗にも広まった。

Mymightyと横浜帆布鞄

MyMightyにボールペンが加わったのは2020年。万年筆はセーラー、パイロットがカスタマイズサービスを持っているがボールペンは今のところMyMightyだけ。(一応fonteにはローラーボールがあるが)

その際に新色として青とイタリアンオレンジが加わったのでボールペンを作った。大好きな横浜帆布鞄をイメージして作ったら、出来上がりがどう見ても銚子電鉄の3000形にしか見えなくて、翌年の夏に写真を撮りに行ったらまさにそのとおりだった。

銚子電鉄3000形とMymighty

芯はいわゆるパーカータイプ。油性のイージーフローやゲルインクが選べるが、大多数の日本人はジェットストリームプライムの回転繰り出し式シングルの芯に入れ替えれば何の文句なく使えるだろう。しかし青色のインクを使いたい皆様にはカランダッシュ849のローラーボールをお勧めしたい。2021年に発売開始されたのだが、それまでパーカー芯のゲルインクの青色なんて存在しなかったのである。

手持ちのゲルインクペンとの比較。たぶんJuiceUpの0.5と大差ないのではと思う

ちなみにMyMightyの万年筆は作っていない。理由は形状(かなり細い)。あと伊東屋だけあってさすがに高く、ボールペンでも普通に8000円ぐらいする。セーラーやパイロットが数千円でやっているのに比べると大違いである。

うさぎや: インディゴの街~JeansStyle~ 倉敷デニムは濃いブルーです

2022年のゴールデンウィークに倉敷に行ったのは正直に言うとT.S.L. Kurashikiに行くためだったのだけど、T.S.L. Kurashikiのある美観地区からうさぎや倉敷店へはバスで1本であることがわかったので迷わず旅程に組み込んだ。美観地区の店がおおよそ17~18時頃にしまってしまうので、17時すぎにお店へ。

うさぎやは倉敷が世界に誇る文房具屋。そのうさぎやのオリジナル万年筆。界隈では珍しい、#3776センチュリーをベースにしたモデル。

軸色はネイビーブルーをサンドブラスト加工している。光源に透かすとしっかりとした青を呈するが、ほぼ黒。しかし倉敷のデニムは児島のデニムと違って限りなく近い。金属パーツはデニムのリベットをイメージしたというローズゴールド。ペン先もローズゴールドだが、そのせいでプラチナ純正のブルーブラックが使えないという曲者。

しかしそれ以外は普通のプラチナの#3776センチュリー。スリップシール機構も搭載しているから、最初の1本にも実は最適。金属パーツがローズゴールドだから、ローズゴールドの手帳に合わせたくなるはず。うさぎやのオリジナル文具にはデニム生地のペンケースもあるので、これと合わせてみるのも一興。

文具好きならうさぎやに行って、美観地区にあるT.S.L Kurashikiとマスキングテープの店であるtaneと如竹堂に行くのがマスト。これだけで1泊2日いけますよ。私は2泊3日しました(倉敷には1日目の朝7時30分到着)。

パイロット カスタムヘリテイジ912 : クラシックブルー

カスタム会というのはパイロットの取扱店として認定された店舗のこと。そのカスタム会は毎年限定品を出していて、2022年はカスタムヘリテイジ912だった。

カスタムヘリテイジ912 クラシックブルー

 

「ネオクラシックカラー」をテーマに、ネオクラシックブルー、ネオクラシックグリーン、ネオクラシックブラウンの3色を展開。買ったのはもちろんブルー。通常品と違うのは、金属パーツがゴールドだということ。

見れば見るほどプラチナの#3776センチュリーみたい。しかし手元にあるのはロジウムフィニッシュのほうで、言うほど似ていない。色合いはセンチュリーのシャルトルブルーに比べると紫に近くて、濃度が濃い、というべき色合い。

上がカスタム912、下が#3776センチュリー。カスタムのほうが濃く、やや紫に近いのがおわかりいただけるだろうか

あと、両端が平面なので見た目だけではなく持ってみても直線的な印象。まっすぐペン先まで力が伝わっていく感覚。

3月の発売直後はF, M, Bの3字幅のみ。しかし5月頃から通常品と同じ15種類の字幅から選べるようになった。じゃあフォルカンとかSFとか選んでみたかったよ、と思うし、2023年の4月になっても普通に売られている。限定品をすぐに買いに走るのも考えものであるが、ものによってはすぐ売り切れてしまうものもある。万年筆の人気はよくわからない。

ペン先。ご覧の通り買ったのはF

 

パイロット キャップレスデシモ20カラーズ: ブルー ~「3大増える筆記具」

手帳に挿す用途の万年筆が1本欲しいと思った。小さめ万年筆だとブルーカームとかレガンス89sとかがあるのだが、筆記時にキャップを取るのが面倒くさいというより、鞄の中で結構簡単にキャップが取れることのほうが問題だった。

キャップレスデシモ20カラーズ。ハンズとかだとセールの対象になっていたりする

キャップレスのなかで一番青いのがデシモの20カラーズだった。キャップレスは種類が色々あって未だによくわからないが、普通のキャップレスよりも幾分小さくて細い。しかしペン先はしっかり18金で本格的である。

紆余曲折あって、毎日持ち歩くM6ガルーシャの専属となっている。デシモは細身なので手帳に挿しやすい。ペンケースを広げるような余裕のない場所であっても、サッとノックして書き始められるのは便利の一言。ボールペン感覚で万年筆の書き味が味わえる。

ガルーシャストレッチペンホルダーにもちゃんと入る。
この色のガルーシャなんてないでしょと思った貴方は鋭い

デシモの20カラーズは2019~2021年にかけてその名の通り全20種類のラインナップで登場した限定シリーズである。表面の加工のおかげで何となくキズにも強い気がするので気軽に鞄に放り込めるが、ひょっとしたらキズに強いのは気のせいかもしれない。デシモにかぎらず、キャップレスは毎年のようにメーカーや店舗から限定色が出ているので、カランダッシュの849、ラミーのサファリと並んで「3大増える筆記具」だと個人的に思っている。

ちなみに2022年の1月に買ったのだが、パイロットの金ペンを買うのはレガンス89s以来実に2年半ぶりだった。