中屋万年筆: ネオスタンダード ~左利きが万年筆を持つということ
中屋万年筆を買いたいと思った理由は「左利き用に削ってもらったペンを使ってみたかったから」である。別に普通にペンクリニックとかがあればそちらを先に利用したと思う。しかしただそれだけの理由でふらっと丸の内丸善の実演販売に行ったらすぐ自分の順番になった。今では考えられない。
本当はライターがよかったのだが、桔梗で残っているのがネオスタンダードしかなかったのでネオスタンダードにした。
とにかく職人さんの目の前でペンを持って、それに合うように調整してもらえる、というのが魅力的だったのだが、いざ実際に持ってみると別に大した癖もないのでそんなに削らなくても大丈夫だという。これはひょっとしたら子供の頃書道教室に通わされたことや、一時期右利きに直されそうになったのが影響しているのかもしれない。そうだとしたら書道をさせた親に感謝しなければならない。
左利きが万年筆を持つことについては、つまり「その人の持ち方による」としか言いようがない。私のように変な癖のない持ち方をしているのであれば市販品をほぼそのまま使うこともできる。巻き込むような持ち方をするのであれば、中途半端にレフティなんか買うより、いきなり中屋の実演販売とかから入るのもひとつの手ではないかと思う。高いけど。
ネオスタンダードは軽くて太い。全長150mmは全筆記具のなかで一番の高身長。軸径15ミリも一番太い。それでいて24gはレオナルドのモーメントゼロより軽い。
中屋はアフターが充実しているのもよい。実演販売に行けばだいたいのことはその場で手直ししてくれる。しかも無料。これなので大都市住みはやめられない。