青色は正義。

青か、青以外か。

ペリカン: M205 マーブルブルー ~軽くてマーブルで派手過ぎない、「普通に使える」ペン

最初の万年筆をなぜペリカンのM205に決めたかはどこにも記録が残っていない。ただ、マーブル模様で高すぎないペン、という条件を満たすのがペリカンのM205だった、ということだったのかもしれない。当然、この1年以上前にすでに廃盤になっていたパイロットのレガンス89sの存在なんて知らなかったのである。

Pelikan: Classic M205 Marble Blue

全長125mm、軸径12mm。大きさは同じペリカンのスーベレーンM400や、セーラーのプロギアスリムと大差ないが、重さはM400が15g、プロギアスリムが16.8gなのに対して14gと少し軽い。しかもプロギアスリムはこれにコンバーターorカートリッジの重さが加わるからその差はかなり大きくなる。ちなみに14gは手持ちの万年筆の中では最軽量。しっかりマーブル模様だがキャップや尻軸が黒いことで派手になりすぎずオフィスに持っていっても違和感ない(私は普通にイタリア製のレジンのペンを仕事場に持っていく人だが)。

M205のクリップ部分。

天冠。ペリカンのロゴがしっかり入っている。

個人的に気に入っているのが天冠とクリップ周りのデザイン。このあとしばらく字幅や値段の関係で国産のペンばかり買い集めていくことになるのだが、キャップのデザインだけはこのペンに似てくれればいいのにと思っていた。

ペン先はスーベレーンと違ってシンプル。

ペン先はステンレススチールだが鉄ペンにしては比較的柔らかいのではないかと思う。もちろん鉄ペンの剛体感はしっかりとある。字幅はEFで、国産のペンで言うとF~MF程度の太さ。手帳に使うにしても細すぎず太すぎずといったところ。

インクはスーベレーンと同じ吸入式である。ずぶの素人がいきなり吸入式を買って、いざインクを入れる時になってどうなったかは容易に想像頂けると思う。

同じような色味・サイズのスーベレーンM400に比べると約半額の値段で、それでいてマーブル軸であるからM400を選ぶ理由は当時の私には全くなかった。しかしこの後普通のサイズの万年筆を持ってみると圧倒的にそっちのほうが持ちやすかった。見た目である程度絞ったあと現物を触るという方法で最初の万年筆を買ったが、サイズをほぼ考慮しなかったのは今となっては反省点ではある。それでも、大きな故障もなく、出なくなることもなく、少し小さめのペン差しにも入り、ただただ「普通に使えるペン」でいてくれている。